プログラミング入門としてVBAを勉強したい方へ
Excel VBAはプログラミング初心者におススメな言語です。
今回の解説
・Like
内容:「If」を使った時に対象セル内に指定した文字列があるかを確認する
セル内に指定した文字列があるかを確認するとは
今回はVBAでセル内の文字列に指定した値が含まれているかを検索して、対象の文字列が含まれていたら処理を実行する「Like」について解説をしていきます。
この「Like」は文字列を検索するということで「Find」や「InStr」と混同されがちなのですが、それぞれ明確に役割があります。
・「Find」はシート内からセルの文字列を検索する
・「InStr」はセルを指定して検索した文字列の最初の位置番号を返す
という命令です。
それに対して「Like」は「If」と組み合わせて対象のセルもしくは文字列に特定の文字列が含まれているかを検索する、という命令です。
これらの違いがあるのでやりたいことに対して何を使うのがいいのかをしっかりと意識していきましょう。
また「Like」にはワイルドカードと呼ばれるものを使えるので解説の項でお伝えします。
「Find」については以下のページをご参照ください
「InStr」については以下のページをご参照ください
今回の目標:指定した文字列に特定の文字列があるかを検索する
・マクロ実行前
・マクロ実行後
ここから実践
1.開発タブのvisual Basic Editorをクリックしましょう
(Alt + F11のショートカットでも表示させられます)
2.メニューバーの挿入タブをクリックしましょう
3.挿入メニュー内の標準モジュールをクリックしましょう
4.エディターの1行目にSub文字列を検索して処理を実行()と入力し、入力が完了したらエンターを押しましょう
5.ではまず、下準備をしていきましょう
6.A1セルに「おはようございます。」と入力してください
7.2行目に If Range(“A1”) Like “*ござい*” Then と入力してください
8.3行目に MsgBox “Likeの処理が実行されました” と入力してください
9.4行目に End If と入力してください
10.入力が完了したらエンターキーを押してください
11.入力が完了したらツールバーの再生ボタン「▶」をクリックしてください
再生ボタンはメニューバーの「挿入」の右斜め下にあります
(見つけられない場合はショートカットキーのF5キーで実行してください
12.ダイアログボックスが表示されて「Likeの処理が実行されました」と表示されたら成功です
13.指定したセルで指定した文字列を検索して実行については以上です
解説
Excel VBAの「Like」は指定した文字列もしくはセルに検索した文字があれば処理を実行する命令です。
普通の「If」と何が違うの?と思われる方もいるかと思いますが、使ってみるとそんなに難しくないのでどんどん使って覚えていくことをおススメします。
If Range(“A1”) Like “*ござい*” Then
まず今回は「If」を使っているのに「=」や「<>」が使われていないのが特徴化と思います。
そしてその代わりに「Like」という今回の解説の肝の部分が書かれています。
この
「Like」は基本的には「=」や「<>」と同じ使い方をすると考えて問題ありません。
では何が違うかというと
検索する文字列にワイルドカードを使いたい場合
というのが特徴です。
なので「Like」を使う場合はほぼほぼワイルドカードを使いたい
(特定文字列が含まれているか検索したい)
時に使うと覚えてしまって問題ありません。
このワイルドカードは覚えると非常に便利な命令なのでしっかりと覚えておきましょう。
ワイルドカード
ワイルドカードとはいわゆる部分一致をさせたい時に使われます。
この部分一致は細かく説明するとかなり長くなってしまうので割愛しますが、簡単に言うと対象文字列内に指定した文字列がどこかに使われているかを検索する、ということです。
そしてこの部分一致にはいくつか種類があり、
・前方一致
・後方一致
という使い方も可能です。
今回はA1セルに「おはようございます。」という文字列が入力されていて、その文字列の中に検索したい値「ござい」が含まれていたら、「If」内の処理を実行するというものでした。
この検索したい値というのはアスタリスク(*)で文字列を囲みます。
このアスタリスクはプログラミング上でかけ算をする時にも使われた命令ですね。
今回の処理は「*ござい*」が検索したい値で、「おはようございます。」には「ござい」が含まれているため処理が一致して実行されたということになります。
因みに前方一致をさせたい場合は
“ござい*”
後方一致をさせたい場合は
“*ござい”
とします。
前方一致は文頭からの文字列が「ござい」で始めるのであれば、 後方一致は文末の文字列が「ござい」で終わるのであればそれぞれ処理が実行されます。
ワイルドカードにはアスタリスク(*)で囲うだけでなく、他の命令も使えるのでいずれ解説していきます。
今回のコード一覧
Sub 文字列を検索して処理を実行() If Range(“A1”) Like “ござい” Then MsgBox “Likeの処理が実行されました” End If End Sub |
エラーの場所がわからない
どうしてもエラー箇所が分からないという方がいましたら、2つのテキストの差異を視覚的に教えてくれるWinMergeというソフトがあるので、それを使って上記のコードと自身が書いたコードを比較してみることをお勧めします。
WinMerge: https://winmerge.org/?lang=ja
このページについて
何故プログラミングを勉強するのか
何故プログラミングを勉強するかは正直に言って、人それぞれです。
しかし、一つだけ言えることは プログラミングは一度覚えてしまえば、一生使えるスキルであり非常に高額な報酬を得やすい職種ということです。
更に以下の様なメリットもあります。
・パソコンそのものに非常に強くなる
・スマートフォンにも強くなれる
・デザインにも精通するスキルが身に付けられる
・インターネットの知識が付けられる
・論理的な考え方を身に付けられる
・上級とは言えずとも中級レベルのスキルを持っていれば年収500万円は簡単に得られる
・年収1000万円以上も目指せる
・一つの言語をある程度覚えたら応用して、様々な言語を扱えるマルチな道へ進むことができる
・プログラマと呼ばれる開発者以外にもディレクター、セキュリティ担当、ホワイトハッカー等の道も考えられる
・一つの言語を極めればその権威となれる
と、プログラムはこれからの時代に即したかなりマルチなスキルを身に付けることができます。
現在はプログラミングスクールもたくさんあるので、独学ではなくしっかりと学ぶことも可能です。
プログラミングスクールは数ヵ月で数十万円しますが、一時的に払ったとしてもその後1年でも開発の現場でそのスキルを伸ばしていけばあっという間にもとをとり、更に高額の報酬を得やすくなるので非常にプログラミングスクールはおススメです。
このページがおススメな方
このページは
・プログラミングを全くやったことがない
・プログラミングをやりたいけど何からやればいいか分からない
・仕事の業務を効率化したい
といった方向けの記事です。
Excel VBAを書くための準備から、基本的なコーディング、応用レベルの使い方をなるべく噛み砕いて全くの初心者でも少しずつステップアップできる内容になっています。
VBAをおススメする理由
特に今後プログラミングを覚えていきたいという方にVBAは非常におすすめです。
その理由は
・開発環境を構築する必要がない
・コードが癖はあるけどシンプル
・プログラミングをするためのエディターは専門のものが用意されている
・エクセルという視覚的に表示されるものが多いので、達成感をすぐに味わえる
という観点から僕はVBAをお勧めしています。
プログラミングという言語は沢山あって、あっちはこれが得意でこっちはこれが得意でといった感じに比較することは多いかと思いますが、
コードが シンプル! かんたん! 分かりやすい! 結果をすぐ得られる!
と、いいことずくめなのでプログラミング比較で迷っている方はとりあえずまずは、の感覚でいいのでVBAをやってみてください。
(その代わり遅いんですけどね…)
VBAのメリット・デメリット
ただVBAにはできることへの限度、速度の面から見て他と劣ることがどうしてもあります。
なので普段のエクセルの業務を効率化したいという方は本格的に勉強していただくのをおススメします。
しかしいずれ別のプログラミング言語に挑戦したいという方は、プログラミングの基礎部分を固めるという意味で勉強するのがいいかと思います。
プログラミング言語にもそれぞれ難易度があり、
・C言語、java、objective-cなど学習コストが高く難易度も高いもの
・PHP、Python、Rubyなど学習コストは中程度だが初心者は大体挫折するもの
・JavaScriptの様なHTML、CSSを知っておかないとできないようなもの
と難易度は様々です。
そんな中でExcel VBAは他の言語では表示させるまでに複数行かかるものを1行で書けたり、シンプルなコードでマウス操作やキーボード操作までできるので視覚的にも楽しいし、エラー個所もここがエラーだとすぐ分かる様になっているのでプログラミング初心者でも挫折が少なく覚えられるはずです。
エクセルのバージョンと歴史
因みにエクセルにも種類というかバージョンがあり、メジャーなバージョンでは
・2003
・2007
・2010
・2013
・2016
・2019
とありますが、僕はOffice2016を使用していますので、それをベースにお伝えしていきます。
VBAとマクロの違い
VBAを勉強しようとすると最初に疑問に思うのが、VBAとマクロの違いです。
この違いが分からなくてどっちを勉強すればいいんだろう? 何が違うんだろう?
と、それだけで調べるのが面倒くさくなって勉強するのをやめてしまうかもしれません。
結論から言ってしまうと VBAとマクロは一緒 です。
正確に言うと色々と違う点が多々あるのですが、ぶっちゃけそんなこと気にして違いを調べるのは時間の無駄です。
なので当サイトの中では同じものとして認識しておいていただければ大丈夫です。
本格的にVBAを学ぼうと思った時に調べるくらいでいいと思います。
とは言ったもののざっくりと違いを述べると
・VBAは ・VBAはマクロを実行するために記述されるプログラム
・マクロは ・自動化した操作を総称したもの
といったくらいの違いです。
なので、言葉であらわすのであれば
・プログラミングで作成されたものが実行されればそれはマクロ
といった感じです。
因みにVBAやマクロの他にVBやVBS、VBE、VB.netといったものもあるので簡単に解説しておきます。
VBとは
VBはVBAよりもかなり複雑なプログラミング言語です。
「.exe」や「.dll」形式のファイルを開発するときに使われる言語で、非常に難しいプログラミング言語です。
正式名称は ・Visual Basic
VBSとは
VBSはVBをまねて作られたスクリプト言語と言われています。
スクリプト言語については解説すると長くなるので本ページでは解説しません。
VBSは「.vbs」ファイルと呼ばれるものを作成すれば1行で簡単にプログラムが作れてしまったりもします。
以下のページで解説しているダイアログボックスもVBAだと、
Sub ダイアログボックスを表示() MsgBox “こんにちは” End Sub |
3行で構成されるプログラムが
MsgBox “こんにちは” |
だけで書けるという非常にシンプルな言語でもあります。
VBAもそうですが、使い方次第でパソコンを自動操作できる様になるので、簡単だけど複雑なことまでできる言語でもあります。
正式名称は ・Visual Basic Scripting
VBEとは
VBEとは、VBAを書くためのエディタのことです。
当ページでも毎度解説している Sub ○○() ~中略~ End Sub これらを書いているエディタがVBEです。
正式名称は ・Visual Basic Editor
VB.netとは
VB.netとは .NET Framework(Windowsアプリケーションの開発環境)というフレームワークを使う時に用いられるプログラミング言語です。
フレームワークについては、あまり詳しく解説しませんがざっくり言うとプログラミングで何かを作る際に効率的に作れるようにしてくれる補助アイテムのようなものです。
なのでVB.net単体で何かを作るということはほぼないと思っていただいて大丈夫です。 (筆者もVB.net Frameworkは使用したことがないので詳しくは分かっていないです)
VBA、VB、VBS、VBE、VB.netについてまとめ
それぞれについて簡単に解説しましたが、実際にプログラミング言語として用いられるのは
・VBA
・VB
・VBS
の3つです。
どれも特徴や癖などがありますが、本ページではVBAを解説し、VBAを学びたいと思っている方が見ていただいているかと思うのでVBA以外については今は意識しなくていいかと思います。
いずれ、ステップアップして別の言語を学ぼうと思った時に他の言語と比較してみることをおススメします。
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