#26 【Excel VBA入門】~値を指定して貼り付ける PasteSpecial~

ExcelVBA

プログラミング入門としてVBAを勉強したい方へ

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Excel VBAはプログラミング初心者におススメな言語です。

今回の解説

Range().PasteSpecial

値を指定しての貼り付けについて

今回は値を指定して貼り付けについて解説していきます。 セルのコピペは前回やりましたが、エクセルの中で最もよく使われる機能だと思います。 前回の記事はこちら
今回はそのコピペについてもう少し深掘りして解説していこうかと思います。 基本的な手順は ・対象のセルをコピーする ・指定したセルにペーストをする と、前回やったことと変わりませんのでコピペが分からない方はまずはシンプルなコピーアンドペーストを学んでから本ページを参考にしてください では、やっていきましょう。

今回の目標:A1セルをコピーしてB2セルに文字列で貼り付けをする

・マクロ実行前
paste

・マクロ実行後
paste2

ここから実践

1.開発タブのvisual Basic Editorをクリックしましょう (Alt + F11のショートカットでも表示させられます) 開発タブが表示されていない方は【Excel VBA超初心者】~開発環境の準備~を参考にしてください 2.メニューバーの挿入タブをクリックしましょう 3.挿入メニュー内の標準モジュールをクリックしましょう 4.エディターの1行目にSub 値を指定して貼り付ける()と入力し、入力が完了したらエンターを押しましょう 5.ではまずは下準備をしていきます。 6.A1セルに「11」と入力してください 7.A1セルのセルの書式設定を「文字列」にしてください 8.これで下準備は完了です 9.2行目に Range(“A1”).Copy と入力してください 9.3行目に Range(“B2”).PasteSpecial Paste:=xlPasteValues と入力してください 10.入力が完了したらエンターキーを押してください 11.入力が完了したらツールバーの再生ボタン「」をクリックしてください 再生ボタンはメニューバーの「挿入」の右斜め下にあります。 (見つけられない場合はショートカットキーのF5キーで実行してください 12.全てを入力し終えたら 1行目に Sub セルをコピペする() 2~3行目はプログラミング内容 4行目に End Sub となっているはずです。 13.A1セルがコピーされてB2セルにコピーした内容が値で貼り付けされて表示されていれば成功です! 13.値を指定して貼り付けについては以上です!

解説

Excel VBAのPaste:=xlPasteValuesは、コピーした値を「値を指定して貼り付け」する命令になります。 「Paste:=」の命令系統は 【Excel VBA入門】~ワークシートを追加する~ のページでも甲斐悦していますので使い方についてはそちらを参照してください
因みに値を指定して貼り付け以外にも命令はいくつかありますので、代表的なものを「まとめ」の項に載せておきますので参考にしてください。

通常の貼り付けと値貼り付けの違い

通常の貼り付けと値を指定して貼り付けの違いについて細かく説明すると非常に長くなってしまうので、必要な部分だけ簡単に解説します。

通常の貼り付け

いわゆる「Ctrl + V」のショートカットキーと同じ動きになります。 これはコピーしたセルの値そのものとセルに設定されている書式設定を貼り付けたものとなります。 これにより、通常のコピペでは文字列にした数字を文字列のまま別のセルにコピーするということになるのです。

値を指定して貼り付け

値を指定して貼り付けはその名の通り「値を指定」すなわちセルに入力されている値のみをコピーするという命令になります。 ですので、今回の解説で行くと ・A1セルの「11」は、値は数字だが書式設定は文字列 ・コピー先となるB2セルは値は標準 ・A1セルをB2セルにコピペしたら、「11」はデフォルトでは数字なので「標準」の書式設定であるB2セルでは数値(標準)として認識される ということになります。

■今回はここまで■

今回のコード一覧

Sub 値を指定して貼り付ける() Range(“A1”).Copy Range(“B2”).PasteSpecial Paste:=xlPasteValues End Sub

エラーの場所がわからない

どうしてもエラー箇所が分からないという方がいましたら、2つのテキストの差異を視覚的に教えてくれるWinMergeというソフトがあるので、それを使って上記のコードと自身が書いたコードを比較してみることをお勧めします。 WinMerge
WinMerge - You will see the difference…
WinMergeは、オープンソースのWindows用比較・マージツールです。WinMergeは、フォルダとファイル両方が比較でき、理解しやすく扱いやすいテキスト形式で差異をビジュアルに表現します。

まとめ

値を指定しての貼り付けの代表的な方法は以下の通りです。
項目 命令内容 命令
Paste 全てを貼り付ける(規定値) xlPasteAll
Paste 値を貼り付ける xlPasteValues
Paste 数式を貼り付ける xlPasteFormulas
Paste 書式を貼り付ける xlPasteFormats
Paste コメントを貼り付ける xlPasteComments
Paste 入力規則を貼り付ける xlPasteValidation
Paste 罫線以外を貼り付ける xlPasteAllExceptBorders
Paste 列幅を指定して貼り付ける xlPasteColumnWidths
Paste 値と数字の数式を貼り付ける xlPasteValuesAndNumberFormats
Paste 数式と数値の書式を貼り付ける xlPasteFormulasAndNumberFormats
上記が代表的な「Paste」の命令となります。 古いエクセルのバージョンだと使用できないものもあるので、気をつけましょう。 基本的な書き方は全て同じなので例として数式の貼り付けを以下に書いておきます。
Sub 数式を指定して貼り付ける() Range(“A1”).Copy Range(“B2”).PasteSpecial Paste:=xlPasteFormulas End Sub

このページについて

このページがおススメな方

このページは ・プログラミングを全くやったことがない ・プログラミングをやりたいけど何からやればいいか分からない ・仕事の業務を効率化したい といった方向けの記事です。 Excel VBAを書くための準備から、基本的なコーディング、応用レベルの使い方をなるべく噛み砕いて全くの初心者でも少しずつステップアップできる内容になっています。

VBAをおススメする理由

特に今後プログラミングを覚えていきたいという方にVBAは非常におすすめです。 その理由は ・開発環境を構築する必要がない ・コードが癖はあるけどシンプル ・プログラミングをするためのエディターは専門のものが用意されている ・エクセルという視覚的に表示されるものが多いので、達成感をすぐに味わえる という観点から僕はVBAをお勧めしています。 プログラミングという言語は沢山あって、あっちはこれが得意でこっちはこれが得意でといった感じに比較することは多いかと思いますが、コードが シンプル! かんたん! 分かりやすい! 結果をすぐ得られる! と、いいことずくめなのでプログラミング比較で迷っている方はとりあえずまずは、の感覚でいいのでVBAをやってみてください。 (その代わり遅いんですけどね…)

VBAのメリット・デメリット

ただVBAにはできることへの限度、速度の面から見て他と劣ることがどうしてもあるので 普段のエクセルの業務を効率化したいという方は本格的に勉強していただき、そうではなくいずれ別のプログラミング言語に挑戦したいという方はプログラミングの基礎部分を固めるという意味で勉強するのがいいかと思います。 プログラミング言語にもそれぞれ難易度があり、 ・C言語javaobjective-cなど学習コストが高く難易度も高いもの ・PHPPythonRubyなど学習コストは中程度だが初心者は大体挫折するもの ・JavaScriptの様なHTML、CSSを知っておかないとできないようなもの と難易度は様々です。 そんな中でExcel VBAは他の言語では表示させるまでに複数行かかるものを1行で書けたり、シンプルなコードでマウス操作やキーボード操作までできるので視覚的にも楽しいし、エラー個所もここがエラーだとすぐ分かる様になっているのでプログラミング初心者でも挫折が少なく覚えられるはずです

エクセルのバージョンと歴史

因みにエクセルにも種類というかバージョンがあり、メジャーなバージョンでは 2003 2007 2010 2013 2016 2019 とありますが、僕はOffice2016を使用していますので、それをベースにお伝えしていきます。

VBAとマクロの違い

VBAを勉強しようとすると最初に疑問に思うのが、VBAとマクロの違いです。 この違いが分からなくてどっちを勉強すればいいんだろう? 何が違うんだろう? と、それだけで調べるのが面倒くさくなって勉強するのをやめてしまうかもしれません。 結論から言ってしまうと VBAとマクロは一緒 です。 正確に言うと色々と違う点が多々あるのですが、ぶっちゃけそんなこと気にして違いを調べるのは時間の無駄です。 なので当サイトの中では同じものとして認識しておいていただければ大丈夫です。 本格的にVBAを学ぼうと思った時に調べるくらいでいいと思います。 とは言ったもののざっくりと違いを述べると VBAは ・VBAはマクロを実行するために記述されるプログラム マクロは ・自動化した操作を総称したもの といったくらいの違いです。 なので、言葉であらわすのであれば ・プログラミングで作成されたものが自動で行われればそれはマクロ といった感じです。 因みにVBAやマクロの他にVBやVBS、VBE、VB.netといったものもあるので簡単に解説しておきます。

VBとは

VBVBAよりもかなり複雑なプログラミング言語です。 「.exe」や「.dll」形式のファイルを開発するときに使われる言語で、非常に難しいプログラミング言語です。 正式名称は ・Visual Basic

VBSとは

VBSはVBをまねて作られたスクリプト言語と言われています。 スクリプト言語については解説すると長くなるので本ページでは解説しません。 VBSは「.vbs」ファイルと呼ばれるものを作成すれば1行で簡単にプログラムが作れてしまったりもします。 以下のページで解説しているダイアログボックスもVBAだと、
Sub ダイアログボックスを表示() MsgBox “こんにちは” End Sub
3行で構成されるプログラムが
MsgBox “こんにちは”
だけで書けるという非常にシンプルな言語でもあります。 ダイアログボックスは以下のページで解説しています。
VBAもそうですが、使い方次第でパソコンを自動操作できる様になるので、簡単だけど複雑なことまでできる言語でもあります。 正式名称は ・Visual Basic Scripting

VBEとは

VBEとは、VBAを書くためのエディタのことです。 当ページでも毎度解説している Sub ○○() ~中略~ End Sub これらを書いているエディタがVBEです。 VBEについては以下のページでもちょろっと解説しています。
正式名称は ・Visual Basic Editor

VB.netとは

VB.netとは .NET FrameworkWindowsアプリケーションの開発環境)というフレームワークを使う時に用いられるプログラミング言語です。 フレームワークについては、あまり詳しく解説しませんがざっくり言うとプログラミングで何かを作る際に効率的に作れるようにしてくれる補助アイテムのようなものです。 なのでVB.net単体で何かを作るということはほぼないと思っていただいて大丈夫です。 (筆者もVB.net Frameworkは使用したことがないので詳しくは分かっていないのです)

VBA、VB、VBS、VBE、VB.netについてまとめ

それぞれについて簡単に解説しましたが、実際にプログラミング言語として用いられるのは ・VBAVB ・VBS の3つです。 どれも特徴や癖などがありますが、本ページではVBAを解説し、VBAを学びたいと思っている方が見ていただいているかと思うのでVBA以外については今は意識しなくていいかと思います。 いずれ、ステップアップして別の言語を学ぼうと思った時に他の言語と比較してみることをおススメします。

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