プログラミング入門としてVBAを勉強したい方へ
Excel VBAはプログラミング初心者におススメな言語です。
セルを移動するとは
今回はアクティブセルを移動させる方法について解説していきます。
セルを移動するというのはA1セルにあるものをA2セルにコピペするといったものではありません
その場合はコピーアンドペーストを使えばできるので、それについてはいずれ解説します。
今回解説するプログラムは相対的にセルの位置を指定するということです。
相対的に位置を指定とは
エクセルVBAのみならずプログラミングには絶対参照と相対参照というものがあります。
まずは絶対参照から解説していきます(分かりやすいので)
絶対参照
絶対参照とはセルの位置を「ここだよ!」と指定してあげる方法です。
これだけだと分かりづらいかもしれませんが、今までやってきたRange()やCells()は絶対参照です。
どちらもB5セルを指定したいときに
・Range()では、Range(“B5”).Select
・Cells()では、Cells(5, 2).Select
と指定しましたね。
これはB5セルに何かアクションを起こすよ!とB5セルを対象にしているので絶対参照というわけです。
ですので、絶対参照というのは
セルの位置を明示的に指定する
プログラムとなります。
相対参照
相対参照とは起点となるセルを決めて、そこから下にいくつ、右にいくつ、と起点になるセルから指定した分だけ離れているセルに何かしらのアクションを起こす命令です。
例として、B2セルから
下に5セル、右に3セル
の位置はE7セルですよね。
このB2セルを起点にして
下に5セル、右に3セルの位置にあるセル(E7セル)にアクションをさせる
というのが相対参照です。
相対参照はこの様に起点となるセルからいくつ離れたセルに何かアクションを起こさせるよ!という命令になります。
ですので、相対参照というのは
起点となるセルから指定した位置に離れたセルに命令する
プログラムになります。
それでは、はじめていきましょう。
段階を踏んで、手順通りにやっていけばきっと大丈夫!
B3セルを起点に下、右に3セルずつ離れた箇所に「こんばんは」と表示する
今回の目標:B3セルを起点にして離れた位置に命令を出す
ここから実践
1.開発タブのvisual Basic Editorをクリックしましょう
(Alt + F11のショートカットでも表示させられます)
2.メニューバーの挿入タブをクリックしましょう
3.挿入メニュー内の標準モジュールをクリックしましょう
4.エディターの1行目にSub 相対参照で指定()と入力し、入力が完了したらエンターを押しましょう
5.ではまずは下準備をしていきます。
6.A1セルにフォーカスを当ててください
8.これで下準備は完了です
9.2行目に Range(“B3”).Select と入力してください
10.3行目に ActiveCell.Offset(3, 3) = “こんにちは” と入力してください
ActiveCellのが分からない方はActiveCellのページを参考にしてください
11.入力が完了したらエンターキーを押してください
12.全てを入力し終えたら 1行目に Sub 文字列型変数()、2~3行目はプログラミング内容、4行目に End Sub となっているはずです。
13.入力が完了したらツールバーの再生ボタン「▶」をクリックしてください
再生ボタンはメニューバーの「挿入」の右斜め下にあります。
(見つけられない場合はショートカットキーのF5キーで実行してください
14.E6セルに「こんにちは」と表示されていれば成功です
15.Offset(相対参照)については以上です!
解説
Excel VBAのOffsetとは、指定したを起点にして離れた位置に命令を出すプログラムとなります。
今回の命令はまず「Range(“B3”)」でB3セルを指定して、そのB3セルを起点に下に3行、右に3列離れた位置に「こんにちは」と表示させました。
Offset(3, 3)の 左の「3」は行方向、つまり下に向かって3セル分 右の「3」は列方向、つまり右に向かって3セル分 の位置を指定しています。
なので、アクティブセルであるB3を起点にして3行3列離れたところに命令を出せた、ということになります。
因みにこのOffsetはマイナスを指定することも可能で、
左の数字にマイナスを指定すると上方向
右の数字にマイナスを指定すると左方向
の位置を指定することが可能です。
今回のコード一覧
自分でコードを書いてエラーが発生してしまったら、以下のコードと比較してエラーを解消しましょう。
Sub 相対参照で指定() Range(“B3”).Select ActiveCell.Offset(3, 3) = “こんにちは” End Sub |
エラーの場所がわからない
どうしてもエラー箇所が分からないという方がいましたら、2つのテキストの差異を視覚的に教えてくれるWinMergeというソフトがあるので、それを使って上記のコードと自身が書いたコードを比較してみることをお勧めします。
WinMerge: https://winmerge.org/?lang=ja
まとめ
このページではOffsetとそれに付随して絶対参照、相対参照について解説しました。
このOffsetは使う場面が非常に多く、使えると非常に便利な命令です。
最初のうちは相対参照で指定する位置がいまいち分からない、となることも多いかと思いますが慣れてくれば簡単に使いこなせるので積極的に使っていきましょう。
絶対参照、相対参照も1回読んだだけでは理解しきれないと思うので、その場合は繰り返し本ページを読み返していただくか別のサイトを参考にすることをおススメします。
VBAだけを覚えればいいという方であれば絶対に必要!というわけではありませんが、今後別のプログラミング言語を勉強しようと思っている方は知識として必要になってくるので、理解しておいたほうがいいでしょう。
このページについて
何故プログラミングを勉強するのか
何故プログラミングを勉強するかは正直に言って、人それぞれです。
しかし、一つだけ言えることは プログラミングは一度覚えてしまえば、一生使えるスキルであり非常に高額な報酬を得やすい職種ということです。
更に以下の様なメリットもあります。
・パソコンそのものに非常に強くなる
・スマートフォンにも強くなれる
・デザインにも精通するスキルが身に付けられる
・インターネットの知識が付けられる
・論理的な考え方を身に付けられる
・上級とは言えずとも中級レベルのスキルを持っていれば年収500万円は簡単に得られる
・年収1000万円以上も目指せる
・一つの言語をある程度覚えたら応用して、様々な言語を扱えるマルチな道へ進むことができる
・プログラマと呼ばれる開発者以外にもディレクター、セキュリティ担当、ホワイトハッカー等の道も考えられる
・一つの言語を極めればその権威となれる
と、プログラムはこれからの時代に即したかなりマルチなスキルを身に付けることができます。
現在はプログラミングスクールもたくさんあるので、独学ではなくしっかりと学ぶことも可能です。
プログラミングスクールは数ヵ月で数十万円しますが、一時的に払ったとしてもその後1年でも開発の現場でそのスキルを伸ばしていけばあっという間にもとをとり、更に高額の報酬を得やすくなるので非常にプログラミングスクールはおススメです。
このページがおススメな方
このページは
・プログラミングを全くやったことがない
・プログラミングをやりたいけど何からやればいいか分からない
・仕事の業務を効率化したい
といった方向けの記事です。
Excel VBAを書くための準備から、基本的なコーディング、応用レベルの使い方をなるべく噛み砕いて全くの初心者でも少しずつステップアップできる内容になっています。
VBAをおススメする理由
特に今後プログラミングを覚えていきたいという方にVBAは非常におすすめです。
その理由は
・開発環境を構築する必要がない
・コードが癖はあるけどシンプル
・プログラミングをするためのエディターは専門のものが用意されている
・エクセルという視覚的に表示されるものが多いので、達成感をすぐに味わえる
という観点から僕はVBAをお勧めしています。
プログラミングという言語は沢山あって、あっちはこれが得意でこっちはこれが得意でといった感じに比較することは多いかと思いますが、
コードが シンプル! かんたん! 分かりやすい! 結果をすぐ得られる!
と、いいことずくめなのでプログラミング比較で迷っている方はとりあえずまずは、の感覚でいいのでVBAをやってみてください。
(その代わり遅いんですけどね…)
VBAのメリット・デメリット
ただVBAにはできることへの限度、速度の面から見て他と劣ることがどうしてもあります。
なので普段のエクセルの業務を効率化したいという方は本格的に勉強していただくのをおススメします。
しかしいずれ別のプログラミング言語に挑戦したいという方は、プログラミングの基礎部分を固めるという意味で勉強するのがいいかと思います。
プログラミング言語にもそれぞれ難易度があり、
・C言語、java、objective-cなど学習コストが高く難易度も高いもの
・PHP、Python、Rubyなど学習コストは中程度だが初心者は大体挫折するもの
・JavaScriptの様なHTML、CSSを知っておかないとできないようなもの
と難易度は様々です。
そんな中でExcel VBAは他の言語では表示させるまでに複数行かかるものを1行で書けたり、シンプルなコードでマウス操作やキーボード操作までできるので視覚的にも楽しいし、エラー個所もここがエラーだとすぐ分かる様になっているのでプログラミング初心者でも挫折が少なく覚えられるはずです。
エクセルのバージョンと歴史
因みにエクセルにも種類というかバージョンがあり、メジャーなバージョンでは
・2003
・2007
・2010
・2013
・2016
・2019
とありますが、僕はOffice2016を使用していますので、それをベースにお伝えしていきます。
VBAとマクロの違い
VBAを勉強しようとすると最初に疑問に思うのが、VBAとマクロの違いです。
この違いが分からなくてどっちを勉強すればいいんだろう? 何が違うんだろう?
と、それだけで調べるのが面倒くさくなって勉強するのをやめてしまうかもしれません。
結論から言ってしまうと VBAとマクロは一緒 です。
正確に言うと色々と違う点が多々あるのですが、ぶっちゃけそんなこと気にして違いを調べるのは時間の無駄です。
なので当サイトの中では同じものとして認識しておいていただければ大丈夫です。
本格的にVBAを学ぼうと思った時に調べるくらいでいいと思います。
とは言ったもののざっくりと違いを述べると
・VBAは ・VBAはマクロを実行するために記述されるプログラム
・マクロは ・自動化した操作を総称したもの
といったくらいの違いです。
なので、言葉であらわすのであれば
・プログラミングで作成されたものが実行されればそれはマクロ
といった感じです。
因みにVBAやマクロの他にVBやVBS、VBE、VB.netといったものもあるので簡単に解説しておきます。
VBとは
VBはVBAよりもかなり複雑なプログラミング言語です。
「.exe」や「.dll」形式のファイルを開発するときに使われる言語で、非常に難しいプログラミング言語です。
正式名称は ・Visual Basic
VBSとは
VBSはVBをまねて作られたスクリプト言語と言われています。
スクリプト言語については解説すると長くなるので本ページでは解説しません。
VBSは「.vbs」ファイルと呼ばれるものを作成すれば1行で簡単にプログラムが作れてしまったりもします。
以下のページで解説しているダイアログボックスもVBAだと、
Sub ダイアログボックスを表示() MsgBox “こんにちは” End Sub |
3行で構成されるプログラムが
MsgBox “こんにちは” |
だけで書けるという非常にシンプルな言語でもあります。
VBAもそうですが、使い方次第でパソコンを自動操作できる様になるので、簡単だけど複雑なことまでできる言語でもあります。
正式名称は ・Visual Basic Scripting
VBEとは
VBEとは、VBAを書くためのエディタのことです。
当ページでも毎度解説している Sub ○○() ~中略~ End Sub これらを書いているエディタがVBEです。
正式名称は ・Visual Basic Editor
VB.netとは
VB.netとは .NET Framework(Windowsアプリケーションの開発環境)というフレームワークを使う時に用いられるプログラミング言語です。
フレームワークについては、あまり詳しく解説しませんがざっくり言うとプログラミングで何かを作る際に効率的に作れるようにしてくれる補助アイテムのようなものです。
なのでVB.net単体で何かを作るということはほぼないと思っていただいて大丈夫です。 (筆者もVB.net Frameworkは使用したことがないので詳しくは分かっていないです)
VBA、VB、VBS、VBE、VB.netについてまとめ
それぞれについて簡単に解説しましたが、実際にプログラミング言語として用いられるのは
・VBA
・VB
・VBS
の3つです。
どれも特徴や癖などがありますが、本ページではVBAを解説し、VBAを学びたいと思っている方が見ていただいているかと思うのでVBA以外については今は意識しなくていいかと思います。
いずれ、ステップアップして別の言語を学ぼうと思った時に他の言語と比較してみることをおススメします。
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