#32 【Excel VBA入門】~一番下のセルに入力されている箇所へ移動する End(xlup)~

ExcelVBA

プログラミング入門としてVBAを勉強したい方へ

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Excel VBAはプログラミング初心者におススメな言語です。

今回の解説

・Cells(Rows.Count)

・End(xlUp).Select

内容:A列で一番最後に入力されているセルへ移動する

セルの移動について

今回も前回に続き少し複雑なセルの移動について解説していきます。

前回の内容を見ていただいた方が分かるかと思いますので、そちらを参考にしていただくと少々分かりやすいかもしれません。

前回のページ:

今回はA列の一番下のセル(A1048576)を起点にして、一番最初にセルが入力されている値へ移動する命令となります。

では、やっていきましょう。

今回の目標:A列で最後に値が入力されているA11セルへ移動する

・マクロ実行

xlup

・マクロ実行後

xlup2

ここから実践

1.開発タブのvisual Basic Editorをクリックしましょう
(Alt + F11のショートカットでも表示させられます)
開発タブが表示されていない方は【Excel VBA超初心者】~開発環境の準備~を参考にしてください

2.メニューバーの挿入タブをクリックしましょう

3.挿入メニュー内の標準モジュールをクリックしましょう

4.エディターの1行目にSub 下へ移動するPart2()と入力し、入力が完了したらエンターを押しましょう

5.ではまずは下準備をしていきます。

6.A8セルに「ここには移動しない」と入力してください

7.A11セルに「ここに移動する」と入力してください

8.これで下準備は完了です

9.2行目に
Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Select
と入力してください

10.入力が完了したらエンターキーを押してください

11.入力が完了したらツールバーの再生ボタン「」をクリックしてください
再生ボタンはメニューバーの「挿入」の右斜め下にあります。
(見つけられない場合はショートカットキーのF5キーで実行してください

12.A11セルがアクティブセルになっていたら成功です。

13.A列で一番最後のセルに移動するについては以上です!

解説

Excel VBAのEnd(xlUp).Selectは、指定した列の一番最後の空白ではないセルへ移動する命令です。

この一番下へ移動する方法は「Rows.Count」という命令で対象列の一番下のセルの位置を数字として取得してくる命令です。

そしてその一番下の数字から上に見ていき、一番最初に値が入力されているセルを選択するという命令になります。

Cells(Rows.Count, 1).

Cells(Rows.Count, 1).
は「解説」の項でも説明しましたが、対象列の一番下の値を取得してくる命令です。

この一番下の値というのはエクセルのバージョンにもより異なりますが、どのバージョンでも対象列の最終列を取得するという認識で問題ありません。

End(xlUp).Select

End(XlUp).
は、指定した列の最終セルを起点にして上方向へセルを見ていく命令です。

そして、見る方法はセルが空白か空白じゃないかです。
(厳密に言うと違うかもしれません。あまり詳しく調べていませんので間違えていたらすみません。)

今回は最終セルからA12セルまでが空白で、A11セルに値が入力されていたためA11セルが選択されたということになります。

ですので逆に言えば

最終セルからA12 セルまで値が入力されていて、A11セルが空白だった場合に今回の命令を実行するとA12セルが選択されます。
(この時選択されるセルはA11セルではなく、一番最後に値が入っているA12セルが選ばれるということを覚えておきましょう)

今回は前回の「xlDown」よりも使用頻度が高い「xlUp」についての解説でした。

■今回はここまで■

今回のコード一覧

Sub 下へ移動Part2()
Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Select
End Sub

エラーの場所がわからない

どうしてもエラー箇所が分からないという方がいましたら、2つのテキストの差異を視覚的に教えてくれるWinMergeというソフトがあるので、それを使って上記のコードと自身が書いたコードを比較してみることをお勧めします。

WinMerge
https://winmerge.org/?lang=ja

まとめ

今回は最後の空白ではないセルへの移動について解説しました。

この命令は「For Next」を使用する時に非常に役に立ちます。

エクセルで作業をしていると、最終行を取得したいけど毎回最終行の位置が変わるということは大いにあり得ます。

そういった時に今回の「Cells(Rows.Count)」を使うことで、対象にした列の最後に入力されているセルの数値を取得してそこを繰り返しの最終値とすることにしたりできます。

また「Offset」で現在入力されているセルの下に値を入力したい時にも

Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Offset(1, 0).Select

とすれば、入力されている最終セルから一つ下のセルを選択することが可能です。

このページについて

このページがおススメな方

このページは
・プログラミングを全くやったことがない
・プログラミングをやりたいけど何からやればいいか分からない
・仕事の業務を効率化したい
といった方向けの記事です。

Excel VBAを書くための準備から、基本的なコーディング、応用レベルの使い方をなるべく噛み砕いて全くの初心者でも少しずつステップアップできる内容になっています。

VBAをおススメする理由

特に今後プログラミングを覚えていきたいという方にVBAは非常におすすめです。
その理由は
・開発環境を構築する必要がない
・コードが癖はあるけどシンプル
・プログラミングをするためのエディターは専門のものが用意されている
・エクセルという視覚的に表示されるものが多いので、達成感をすぐに味わえる

という観点から僕はVBAをお勧めしています。

プログラミングという言語は沢山あって、あっちはこれが得意でこっちはこれが得意でといった感じに比較することは多いかと思いますが、コードが

シンプル!
かんたん!
分かりやすい!
結果をすぐ得られる!

と、いいことずくめなのでプログラミング比較で迷っている方はとりあえずまずは、の感覚でいいのでVBAをやってみてください。
(その代わり遅いんですけどね…)

VBAのメリット・デメリット

ただVBAにはできることへの限度、速度の面から見て他と劣ることがどうしてもあるので

普段のエクセルの業務を効率化したいという方は本格的に勉強していただき、そうではなくいずれ別のプログラミング言語に挑戦したいという方はプログラミングの基礎部分を固めるという意味で勉強するのがいいかと思います。

プログラミング言語にもそれぞれ難易度があり、

C言語javaobjective-cなど学習コストが高く難易度も高いもの
PHPPythonRubyなど学習コストは中程度だが初心者は大体挫折するもの
JavaScriptの様なHTML、CSSを知っておかないとできないようなもの

と難易度は様々です。

そんな中でExcel VBAは他の言語では表示させるまでに複数行かかるものを1行で書けたり、シンプルなコードでマウス操作やキーボード操作までできるので視覚的にも楽しいし、エラー個所もここがエラーだとすぐ分かる様になっているのでプログラミング初心者でも挫折が少なく覚えられるはずです

エクセルのバージョンと歴史

因みにエクセルにも種類というかバージョンがあり、メジャーなバージョンでは

2003
2007
2010
2013
2016
2019

とありますが、僕はOffice2016を使用していますので、それをベースにお伝えしていきます。

VBAとマクロの違い

VBAを勉強しようとすると最初に疑問に思うのが、VBAとマクロの違いです。

この違いが分からなくてどっちを勉強すればいいんだろう?
何が違うんだろう?

と、それだけで調べるのが面倒くさくなって勉強するのをやめてしまうかもしれません。

結論から言ってしまうと
VBAとマクロは一緒
です。

正確に言うと色々と違う点が多々あるのですが、ぶっちゃけそんなこと気にして違いを調べるのは時間の無駄です。

なので当サイトの中では同じものとして認識しておいていただければ大丈夫です。
本格的にVBAを学ぼうと思った時に調べるくらいでいいと思います。

とは言ったもののざっくりと違いを述べると

VBA
VBAはマクロを実行するために記述されるプログラム

マクロは
・自動化した操作を総称したもの

といったくらいの違いです。
なので、言葉であらわすのであれば

プログラミングで作成されたものが自動で行われればそれはマクロ

といった感じです。

因みにVBAやマクロの他にVBやVBS、VBE、VB.netといったものもあるので簡単に解説しておきます。

VBとは

VBVBAよりもかなり複雑なプログラミング言語です。

「.exe」や「.dll」形式のファイルを開発するときに使われる言語で、非常に難しいプログラミング言語です。

正式名称は
Visual Basic

VBSとは

VBSはVBをまねて作られたスクリプト言語と言われています。

スクリプト言語については解説すると長くなるので本ページでは解説しません。

VBSは「.vbs」ファイルと呼ばれるものを作成すれば1行で簡単にプログラムが作れてしまったりもします。

以下のページで解説しているダイアログボックスもVBAだと、

Sub ダイアログボックスを表示()
MsgBox “こんにちは”
End Sub

3行で構成されるプログラムが

MsgBox “こんにちは”

だけで書けるという非常にシンプルな言語でもあります。

ダイアログボックスは以下のページで解説しています。

VBAもそうですが、使い方次第でパソコンを自動操作できる様になるので、簡単だけど複雑なことまでできる言語でもあります。

正式名称は
Visual Basic Scripting

VBEとは

VBEとは、VBAを書くためのエディタのことです。

当ページでも毎度解説している
Sub ○○()
~中略~
End Sub
これらを書いているエディタがVBEです。

VBEについては以下のページでもちょろっと解説しています。

正式名称は
Visual Basic Editor

VB.netとは

VB.netとは
.NET FrameworkWindowsアプリケーションの開発環境)というフレームワークを使う時に用いられるプログラミング言語です。

フレームワークについては、あまり詳しく解説しませんがざっくり言うとプログラミングで何かを作る際に効率的に作れるようにしてくれる補助アイテムのようなものです。

なのでVB.net単体で何かを作るということはほぼないと思っていただいて大丈夫です。

(筆者もVB.net Frameworkは使用したことがないので詳しくは分かっていないのです)

VBA、VB、VBS、VBE、VB.netについてまとめ

それぞれについて簡単に解説しましたが、実際にプログラミング言語として用いられるのは
VBA
VB
・VBS
の3つです。

どれも特徴や癖などがありますが、本ページではVBAを解説し、VBAを学びたいと思っている方が見ていただいているかと思うのでVBA以外については今は意識しなくていいかと思います。

いずれ、ステップアップして別の言語を学ぼうと思った時に他の言語と比較してみることをおススメします。

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