プログラミング入門としてVBAを勉強したい方へ
Excel VBAはプログラミング初心者におススメな言語です。
今回の解説
・Cells(Columns.Count)
・End(xlToLeft).Select
内容:1行目で一番右に入力されているセルへ移動する
セルの横移動について
今回も前回に引き続き、横方向についての移動を解説していきます。
前回の横方向への移動については以下をご参照ください
xlToRight:
今回は1行目の一番最後のセル(XFD1セル)を起点にして左方向にセルを見ていき、一番最初にセルに値が入力されている箇所への移動の命令となります。
では、やっていきましょう。
今回の目標:1行目で最後の空白ではないG1セルへ移動する
・マクロ実行

・マクロ実行後

ここから実践
1.開発タブのvisual Basic Editorをクリックしましょう
(Alt + F11のショートカットでも表示させられます)
開発タブが表示されていない方は【Excel VBA超初心者】~開発環境の準備~を参考にしてください
2.メニューバーの挿入タブをクリックしましょう
3.挿入メニュー内の標準モジュールをクリックしましょう
4.エディターの1行目にSub 左方向へ移動する()と入力し、入力が完了したらエンターを押しましょう
5.ではまずは下準備をしていきます。
6.E1セルに「ここには移動しない」と入力してください
7.G1セルに「ここに移動する」と入力してください
8.これで下準備は完了です
9.2行目に
Cells(1, Columns.Count).End(xlToLeft).Select
と入力してください
10.入力が完了したらエンターキーを押してください
11.入力が完了したらツールバーの再生ボタン「▶」をクリックしてください
再生ボタンはメニューバーの「挿入」の右斜め下にあります。
(見つけられない場合はショートカットキーのF5キーで実行してください
12.G1セルがアクティブセルになっていたら成功です。
13.1行目で一番最後のセルに移動するについては以上です!
解説
Excel VBAのEnd(xlToLeft).Selectは、指定した行の一番最後の空白ではないセルへ移動する命令です。
この一番右へ移動する方法は「Columns.Count」という命令で対象行の一番右のセルの位置を数字として取得してくる命令です。
そしてその一番右の数字から左に見ていき、一番最初に値が入力されているセルを選択するという命令になります。
Cells(1, Columns.Count).
Cells(1, Columns.Count).
は「解説」の項でも説明しましたが、対象行の一番右の値を取得してくる命令です。
この一番右の値というのはエクセルのバージョンにもより異なりますが、どのバージョンでも対象行の最終行を取得するという認識で問題ありません。
End(xlToLeft).Select
End(XlToLeft).
は、指定した行の最終セルを起点にして左方向へセルを見ていく命令です。
そして、見る方法はセルが空白か空白じゃないかです。
(厳密に言うと違うかもしれません。あまり詳しく調べていませんので間違えていたらすみません。)
今回は最終セルからH1セルまでが空白で、G1セルに値が入力されていたためG1セルが選択されたということになります。
ですので逆に言えば
最終セルからH1セルまで値が入力されていて、G1セルが空白だった場合に今回の命令を実行するとH1セルが選択されます。
(この時選択されるセルはG1セルではなく、一番最後に値が入っているH1セルが選ばれるということを覚えておきましょう)
■今回はここまで■
今回のコード一覧
Sub 左方向へ移動する() Cells(1, Columns.Count).End(xlToLeft).Select End Sub |
エラーの場所がわからない
どうしてもエラー箇所が分からないという方がいましたら、2つのテキストの差異を視覚的に教えてくれるWinMergeというソフトがあるので、それを使って上記のコードと自身が書いたコードを比較してみることをお勧めします。
WinMerge:
https://winmerge.org/?lang=ja
まとめ
今回は行方向の最後の空白ではないセルへの移動について解説しました。
この命令は「xlUp」同様に「For Next」を使用する時に非常に役に立ちます。
「xlUp」のページでもお伝えしていますが、エクセルで作業をしていると最終列を取得したいけど毎回最終列の位置が変わるということは意外とあり得ます。
そういった時に今回の「Cells(Columns.Count)」を使うことで、対象にした行の最後に入力されているセルの数値を取得してそこを繰り返しの最終値とすることにしたりできます。
また「Offset」で現在入力されているセルの右に値を追加したい時にも
Cells(1, Columns.Count).End(xlToLeft).Offset(0, 1).Select
とすれば、入力されている行方向の最終セルから一つ右のセルを選択することが可能です。
このページについて
このページがおススメな方
このページは
・プログラミングを全くやったことがない
・プログラミングをやりたいけど何からやればいいか分からない
・仕事の業務を効率化したい
といった方向けの記事です。
Excel VBAを書くための準備から、基本的なコーディング、応用レベルの使い方をなるべく噛み砕いて全くの初心者でも少しずつステップアップできる内容になっています。
VBAをおススメする理由
特に今後プログラミングを覚えていきたいという方にVBAは非常におすすめです。
その理由は
・開発環境を構築する必要がない
・コードが癖はあるけどシンプル
・プログラミングをするためのエディターは専門のものが用意されている
・エクセルという視覚的に表示されるものが多いので、達成感をすぐに味わえる
という観点から僕はVBAをお勧めしています。
プログラミングという言語は沢山あって、あっちはこれが得意でこっちはこれが得意でといった感じに比較することは多いかと思いますが、コードが
シンプル!
かんたん!
分かりやすい!
結果をすぐ得られる!
と、いいことずくめなのでプログラミング比較で迷っている方はとりあえずまずは、の感覚でいいのでVBAをやってみてください。
(その代わり遅いんですけどね…)
VBAのメリット・デメリット
ただVBAにはできることへの限度、速度の面から見て他と劣ることがどうしてもあるので
普段のエクセルの業務を効率化したいという方は本格的に勉強していただき、そうではなくいずれ別のプログラミング言語に挑戦したいという方はプログラミングの基礎部分を固めるという意味で勉強するのがいいかと思います。
プログラミング言語にもそれぞれ難易度があり、
・C言語、java、objective-cなど学習コストが高く難易度も高いもの
・PHP、Python、Rubyなど学習コストは中程度だが初心者は大体挫折するもの
・JavaScriptの様なHTML、CSSを知っておかないとできないようなもの
と難易度は様々です。
そんな中でExcel VBAは他の言語では表示させるまでに複数行かかるものを1行で書けたり、シンプルなコードでマウス操作やキーボード操作までできるので視覚的にも楽しいし、エラー個所もここがエラーだとすぐ分かる様になっているのでプログラミング初心者でも挫折が少なく覚えられるはずです
エクセルのバージョンと歴史
因みにエクセルにも種類というかバージョンがあり、メジャーなバージョンでは
2003
2007
2010
2013
2016
2019
とありますが、僕はOffice2016を使用していますので、それをベースにお伝えしていきます。
VBAとマクロの違い
VBAを勉強しようとすると最初に疑問に思うのが、VBAとマクロの違いです。
この違いが分からなくてどっちを勉強すればいいんだろう?
何が違うんだろう?
と、それだけで調べるのが面倒くさくなって勉強するのをやめてしまうかもしれません。
結論から言ってしまうと
VBAとマクロは一緒
です。
正確に言うと色々と違う点が多々あるのですが、ぶっちゃけそんなこと気にして違いを調べるのは時間の無駄です。
なので当サイトの中では同じものとして認識しておいていただければ大丈夫です。
本格的にVBAを学ぼうと思った時に調べるくらいでいいと思います。
とは言ったもののざっくりと違いを述べると
VBAは
・VBAはマクロを実行するために記述されるプログラム
マクロは
・自動化した操作を総称したもの
といったくらいの違いです。
なので、言葉であらわすのであれば
・プログラミングで作成されたものが自動で行われればそれはマクロ
といった感じです。
因みにVBAやマクロの他にVBやVBS、VBE、VB.netといったものもあるので簡単に解説しておきます。
VBとは
「.exe」や「.dll」形式のファイルを開発するときに使われる言語で、非常に難しいプログラミング言語です。
正式名称は
・Visual Basic
VBSとは
VBSはVBをまねて作られたスクリプト言語と言われています。
スクリプト言語については解説すると長くなるので本ページでは解説しません。
VBSは「.vbs」ファイルと呼ばれるものを作成すれば1行で簡単にプログラムが作れてしまったりもします。
以下のページで解説しているダイアログボックスもVBAだと、
Sub ダイアログボックスを表示() MsgBox “こんにちは” End Sub |
3行で構成されるプログラムが
MsgBox “こんにちは” |
だけで書けるという非常にシンプルな言語でもあります。
ダイアログボックスは以下のページで解説しています。
VBAもそうですが、使い方次第でパソコンを自動操作できる様になるので、簡単だけど複雑なことまでできる言語でもあります。
正式名称は
・Visual Basic Scripting
VBEとは
VBEとは、VBAを書くためのエディタのことです。
当ページでも毎度解説している
Sub ○○()
~中略~
End Sub
これらを書いているエディタがVBEです。
VBEについては以下のページでもちょろっと解説しています。
正式名称は
・Visual Basic Editor
VB.netとは
VB.netとは
.NET Framework(Windowsアプリケーションの開発環境)というフレームワークを使う時に用いられるプログラミング言語です。
フレームワークについては、あまり詳しく解説しませんがざっくり言うとプログラミングで何かを作る際に効率的に作れるようにしてくれる補助アイテムのようなものです。
なのでVB.net単体で何かを作るということはほぼないと思っていただいて大丈夫です。
(筆者もVB.net Frameworkは使用したことがないので詳しくは分かっていないのです)
VBA、VB、VBS、VBE、VB.netについてまとめ
それぞれについて簡単に解説しましたが、実際にプログラミング言語として用いられるのは
・VBA
・VB
・VBS
の3つです。
どれも特徴や癖などがありますが、本ページではVBAを解説し、VBAを学びたいと思っている方が見ていただいているかと思うのでVBA以外については今は意識しなくていいかと思います。
いずれ、ステップアップして別の言語を学ぼうと思った時に他の言語と比較してみることをおススメします。
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