#35 【Excel VBA入門】~値の入力されている最初か最後のセルへ移動 まとめ~

ExcelVBA

プログラミング入門としてVBAを勉強したい方へ

スポンサーリンク

Excel VBAはプログラミング初心者におススメな言語です。

今回の解説

・Cells(1, 1).End(xlDown).Select 起点となるセルから下への行方向へセルを見ていき、一番最初に値が入力されているセルへ移動する ・Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Select 行方向の最終セル(一番下)から上への行方向へセルを見ていき、一番最初に値が入力されているセルへ移動する ・Cells(1, 1).End(xlToRight).Select 起点となるセルから右への列方向へセルを見ていき、一番最初に値が入力されているセルへ移動する ・Cells(1, Columns.Count).End(xlToLeft).Select 列方向の最終セル(一番右)から左への列方向へセルを見ていき、一番最初に値が入力されているセルへ移動する 各ページの個別開設は以下になります。

最初か最後のセルへの移動のまとめについて

今回は今までの解説とは異なり、既に開設をしたことのあるやつをまとめてみました。 というのも、このセルの移動や最後のセルの値を数字として取得してくるということは使う頻度が非常に高く、覚えていると非常に有用なプログラムとなるからです。 そこで別ページにまとめているとあっちを見たりこっちを見たりと煩わしいと思い、一つのページにまとめました。 本ページでは一つ一つについて細かく解説はしませんが、要点はおさえて解説するので、どの命令がどういった動きをまとめて確認したい場合におススメです。 では、解説していきます。 解説していく順番は使用頻度の高いと思われる順に解説していきます。

Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Select

・マクロ実行
xlup

・マクロ実行後
xlup2

使い方

よく使われるのは「For Next」と組み合わせて使われることが非常に多いです。 若しくは「Offset」との組み合わせで一番最後に値が入力されているセルから一つ下の空白セルを選択する時に使われます。

コードサンプル

For i = 1 To Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row ~処理したい命令~ Next i
Rowについては以下を参照
Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Offset(1, 0).Select
Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Offset(1, 0) = “一番最後の下に値を追加”

Cells(1, Columns.Count).End(xlToLeft).Select

・マクロ実行
xltoleft

・マクロ実行後
xltoleft2

使い方

こちらもよく使われるのは「For Next」と組み合わせて使われることが非常に多いです。 若しくは「Offset」との組み合わせで一番右に値が入力されているセルから一つ右の空白セルを選択する時に使われます。

コードサンプル

For i = 1 To Cells(1, Columns.Count).End(xlToLeft).Column ~処理したい命令~ Next i
Columnについては以下を参照
Cells(1, Columns.Count).End(xlToLeft).Offset(0, 1).Select
Cells(1, Columns.Count).End(xlToLeft).Offset(0, 1) = “一番最後の右に値を追加”

Cells(1, 1).End(xlDown).Select

・マクロ実行
xldown

・マクロ実行後
xldown2

使い方

「xlDown」は僕はあまり使うことがないので使われる用途がよくわからないのですが、以下のような時に使われるのではないかなと予想します。 一つのシートに複数のテーブルがあり、指定したテーブルの一番最後のセルに値を追加する場合

コードサンプル

Cells(4, 5).End(xlDown).Offset(1,0).Select

Cells(1, 1).End(xlToRight).Select

・マクロ実行
xltoright

・マクロ実行後
xltoright12

使い方

「xlToRight」は多分僕は使ったことがありません。 ですので使用用途は「xlDown」同様、以下のような時に使われるのではないかなと予想します。 一つのシートに複数のテーブルがあり、指定したテーブルの一番最後のセルに値を追加する場合

コードサンプル

Cells(7, 3).End(xlToRight).Offset(0, 1).Select

■今回はここまで■

エラーの場所がわからない

どうしてもエラー箇所が分からないという方がいましたら、2つのテキストの差異を視覚的に教えてくれるWinMergeというソフトがあるので、それを使って上記のコードと自身が書いたコードを比較してみることをお勧めします。 WinMerge
WinMerge - You will see the difference…
WinMergeは、オープンソースのWindows用比較・マージツールです。WinMergeは、フォルダとファイル両方が比較でき、理解しやすく扱いやすいテキスト形式で差異をビジュアルに表現します。

まとめ

今回は各セルの移動方向についてのまとめページを作成しました。 使用頻度の高い「xlUp」やあまり使用頻度の高くない「xlToRight」など、慣れないうちは混乱してしまうかもしれませんが繰り返し使っていくうちに分かってきますので積極的に使っていくことをおススメします。

このページについて

このページがおススメな方

このページは ・プログラミングを全くやったことがない ・プログラミングをやりたいけど何からやればいいか分からない ・仕事の業務を効率化したい といった方向けの記事です。 Excel VBAを書くための準備から、基本的なコーディング、応用レベルの使い方をなるべく噛み砕いて全くの初心者でも少しずつステップアップできる内容になっています。

VBAをおススメする理由

特に今後プログラミングを覚えていきたいという方にVBAは非常におすすめです。 その理由は ・開発環境を構築する必要がない ・コードが癖はあるけどシンプル ・プログラミングをするためのエディターは専門のものが用意されている ・エクセルという視覚的に表示されるものが多いので、達成感をすぐに味わえる という観点から僕はVBAをお勧めしています。 プログラミングという言語は沢山あって、あっちはこれが得意でこっちはこれが得意でといった感じに比較することは多いかと思いますが、コードが シンプル! かんたん! 分かりやすい! 結果をすぐ得られる! と、いいことずくめなのでプログラミング比較で迷っている方はとりあえずまずは、の感覚でいいのでVBAをやってみてください。 (その代わり遅いんですけどね…)

VBAのメリット・デメリット

ただVBAにはできることへの限度、速度の面から見て他と劣ることがどうしてもあるので 普段のエクセルの業務を効率化したいという方は本格的に勉強していただき、そうではなくいずれ別のプログラミング言語に挑戦したいという方はプログラミングの基礎部分を固めるという意味で勉強するのがいいかと思います。 プログラミング言語にもそれぞれ難易度があり、 ・C言語javaobjective-cなど学習コストが高く難易度も高いもの ・PHPPythonRubyなど学習コストは中程度だが初心者は大体挫折するもの ・JavaScriptの様なHTML、CSSを知っておかないとできないようなもの と難易度は様々です。 そんな中でExcel VBAは他の言語では表示させるまでに複数行かかるものを1行で書けたり、シンプルなコードでマウス操作やキーボード操作までできるので視覚的にも楽しいし、エラー個所もここがエラーだとすぐ分かる様になっているのでプログラミング初心者でも挫折が少なく覚えられるはずです

エクセルのバージョンと歴史

因みにエクセルにも種類というかバージョンがあり、メジャーなバージョンでは 2003 2007 2010 2013 2016 2019 とありますが、僕はOffice2016を使用していますので、それをベースにお伝えしていきます。

VBAとマクロの違い

VBAを勉強しようとすると最初に疑問に思うのが、VBAとマクロの違いです。 この違いが分からなくてどっちを勉強すればいいんだろう? 何が違うんだろう? と、それだけで調べるのが面倒くさくなって勉強するのをやめてしまうかもしれません。 結論から言ってしまうと VBAとマクロは一緒 です。 正確に言うと色々と違う点が多々あるのですが、ぶっちゃけそんなこと気にして違いを調べるのは時間の無駄です。 なので当サイトの中では同じものとして認識しておいていただければ大丈夫です。 本格的にVBAを学ぼうと思った時に調べるくらいでいいと思います。 とは言ったもののざっくりと違いを述べると VBAは ・VBAはマクロを実行するために記述されるプログラム マクロは ・自動化した操作を総称したもの といったくらいの違いです。 なので、言葉であらわすのであれば ・プログラミングで作成されたものが自動で行われればそれはマクロ といった感じです。 因みにVBAやマクロの他にVBやVBS、VBE、VB.netといったものもあるので簡単に解説しておきます。

VBとは

VBVBAよりもかなり複雑なプログラミング言語です。 「.exe」や「.dll」形式のファイルを開発するときに使われる言語で、非常に難しいプログラミング言語です。 正式名称は ・Visual Basic

VBSとは

VBSはVBをまねて作られたスクリプト言語と言われています。 スクリプト言語については解説すると長くなるので本ページでは解説しません。 VBSは「.vbs」ファイルと呼ばれるものを作成すれば1行で簡単にプログラムが作れてしまったりもします。 以下のページで解説しているダイアログボックスもVBAだと、
Sub ダイアログボックスを表示() MsgBox “こんにちは” End Sub
3行で構成されるプログラムが
MsgBox “こんにちは”
だけで書けるという非常にシンプルな言語でもあります。 ダイアログボックスは以下のページで解説しています。
VBAもそうですが、使い方次第でパソコンを自動操作できる様になるので、簡単だけど複雑なことまでできる言語でもあります。 正式名称は ・Visual Basic Scripting

VBEとは

VBEとは、VBAを書くためのエディタのことです。 当ページでも毎度解説している Sub ○○() ~中略~ End Sub これらを書いているエディタがVBEです。 VBEについては以下のページでもちょろっと解説しています。
正式名称は ・Visual Basic Editor

VB.netとは

VB.netとは .NET FrameworkWindowsアプリケーションの開発環境)というフレームワークを使う時に用いられるプログラミング言語です。 フレームワークについては、あまり詳しく解説しませんがざっくり言うとプログラミングで何かを作る際に効率的に作れるようにしてくれる補助アイテムのようなものです。 なのでVB.net単体で何かを作るということはほぼないと思っていただいて大丈夫です。 (筆者もVB.net Frameworkは使用したことがないので詳しくは分かっていないのです)

VBA、VB、VBS、VBE、VB.netについてまとめ

それぞれについて簡単に解説しましたが、実際にプログラミング言語として用いられるのは ・VBAVB ・VBS の3つです。 どれも特徴や癖などがありますが、本ページではVBAを解説し、VBAを学びたいと思っている方が見ていただいているかと思うのでVBA以外については今は意識しなくていいかと思います。 いずれ、ステップアップして別の言語を学ぼうと思った時に他の言語と比較してみることをおススメします。

コメント