#37 【Excel VBA入門】~条件を指定して違かったら実行する If else~

ExcelVBA

プログラミング入門としてVBAを勉強したい方へ

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Excel VBAはプログラミング初心者におススメな言語です。

今回の解説

・If Else

内容:指定した条件と一致しなかったら、処理を実行する。

指定した条件と一致とは

今回もプログラミングの中でも一番使用頻度が高くかつ非常にプログラマーを悩ませる「If」について解説していきます。

前回は指定した条件と一致したら実行するという「If」について解説しましたが、今回はその「If」の条件と違っていたら処理を実行する「If Else」についてです。

聞いたことがあるかもしれませんが「条件分岐」というものです。

この「If Else」は「If」同様書き方の違いはあるもののどんなプログラミング言語でも使われる超超超メジャーな命令です。

まずは実践する前に「If」がどういったものか簡単に解説させてください。

「If」は調べるとよく
「もし○○だったら、Aを実行」
というように条件を指定して「もし」その条件と一致したら処理を実行する
という使い方をします。

そして「If Else」は
「もし○○だったら、Aを実行」
「Aじゃなかったら、Bを実行」
というように「もし」の条件と一致しなかったら、処理を実行する
という使い方をします。

では、やっていきましょう。

今回の目標:B1セルに1という値が入力されていなかったらB2セルに9という値を出力する

・マクロ実行前

ifelse

・マクロ実行後

ifelse2

ここから実践

1.開発タブのvisual Basic Editorをクリックしましょう
(Alt + F11のショートカットでも表示させられます)
開発タブが表示されていない方は【Excel VBA超初心者】~開発環境の準備~を参考にしてください

2.メニューバーの挿入タブをクリックしましょう

3.挿入メニュー内の標準モジュールをクリックしましょう

4.エディターの1行目にB1セルに1が入力されていなかったら()と入力し、入力が完了したらエンターを押しましょう

5.2行目に
If Range(“B1”) = 1 Then
と入力してください

6.3行目に
Range(“B2”) = “B1セルに1が入力されていた”
と入力してください

7.4行目に
Else
と入力してください

8.5行目に
Range(“B2”) = “9”
と入力してください

9.6行目に
End If
と入力してください

10.全てを入力し終えたら
1行目に B1セルに1が入力されていなかったら()
2~6行目はプログラミング内容
7行目に End Sub
となっているはずです。

12.入力が完了したらエンターキーを押してください

13.入力が完了したらツールバーの再生ボタン「」をクリックしてください
再生ボタンはメニューバーの「挿入」の右斜め下にあります。
(見つけられない場合はショートカットキーのF5キーで実行してください

14.B2セルに「9」が出力されていたら成功です!

15.B1セルに「1」が入力されていなかったらB2セルに「9」を入力するについては以上です!

解説

Excel VBAの「If Else」は指定した条件と一致しなかったら、「If」で指定した条件以外の命令を実行する命令となります。

この「Else」で実行される命令というのは、今回のプログラムの5行目にあたる
Range(“B2”) = “9”
です。

それでは、1行ずつ詳しく解説していきます

If Range(“B1”) = 1 Then

「If Then」については以下のページで解説していますので、そちらを参照してください

Range(“B2”) = “B1セルに1が入力されていた”

これは内容自体は非常に簡単ですが、この命令が実行されるのはB1セルに「1」という値が入力されていた場合に限ります。

Else

「Else」は「If Then」で指定した条件と一致しなかったら、実行する命令となります。

今回は
If Range(“B1”) = 1 Then
という命令でしたので、B1セルに「1」という値が入力されていなければ「Else」以降の命令が実行されるということになります。

Range(“B2”) = “9”

これも非常に簡単ですが、この命令はB1セルに「1」という値が入力されていなかった場合は実行されません。

End If

「End If」は「If Then」「Else」の命令はここでお終いだよ、というのを明示的に示してあげる命令となります。

今回の解説ですと、
B1セルに「1」が入力されていれば
Range(“B2”) = “B1セルに1が入力されていた”
上記の命令が実行され「End If」へジャンプし、

B1セルに「1」以外の値が入力若しくは空欄であれば
Range(“B2”) = “9”
上記の命令が実行され「End If」にジャンプするという流れになります。

■今回はここまで■

今回のコード一覧

Sub B1セルに1が入力されていなかったら()
If Range(“B1”) = 1 Then
Range(“B2”) = “B1セルに1が入力されていた”
Else
Range(“B2”) = “9”
End If
End Sub

エラーの場所がわからない

どうしてもエラー箇所が分からないという方がいましたら、2つのテキストの差異を視覚的に教えてくれるWinMergeというソフトがあるので、それを使って上記のコードと自身が書いたコードを比較してみることをお勧めします。

WinMerge
https://winmerge.org/?lang=ja

まとめ

今回はプログラミングの肝ともいえる「If」とその「Else」について解説しました。

この「If」は最初の方にも解説しましたが、使える様になれば脱初心者で中級者と名乗ってもいいくらいのレベルとなります。

そして今回紹介した「Else」は「If」を使っていくうえで絶対に避けては通れない
指定した条件以外の処理があったらどうするか
というものになります。

プログラミングをやっていくと、絶対に想定した値以外が入力されているパターンというものがでてきます。

そういった時の処理をどうするのか、というのを考えるのは非常に大事です。
更に言うと想定した値以外が入力されている時に内容によってAパターン、Bパターンの様に出し分けをしなければいけない時もきますのでそういった命令も「Else」の応用としていずれ解説します。

このページについて

このページがおススメな方

このページは
・プログラミングを全くやったことがない
・プログラミングをやりたいけど何からやればいいか分からない
・仕事の業務を効率化したい
といった方向けの記事です。

Excel VBAを書くための準備から、基本的なコーディング、応用レベルの使い方をなるべく噛み砕いて全くの初心者でも少しずつステップアップできる内容になっています。

VBAをおススメする理由

特に今後プログラミングを覚えていきたいという方にVBAは非常におすすめです。
その理由は
・開発環境を構築する必要がない
・コードが癖はあるけどシンプル
・プログラミングをするためのエディターは専門のものが用意されている
・エクセルという視覚的に表示されるものが多いので、達成感をすぐに味わえる

という観点から僕はVBAをお勧めしています。

プログラミングという言語は沢山あって、あっちはこれが得意でこっちはこれが得意でといった感じに比較することは多いかと思いますが、コードが

シンプル!
かんたん!
分かりやすい!
結果をすぐ得られる!

と、いいことずくめなのでプログラミング比較で迷っている方はとりあえずまずは、の感覚でいいのでVBAをやってみてください。
(その代わり遅いんですけどね…)

VBAのメリット・デメリット

ただVBAにはできることへの限度、速度の面から見て他と劣ることがどうしてもあるので

普段のエクセルの業務を効率化したいという方は本格的に勉強していただき、そうではなくいずれ別のプログラミング言語に挑戦したいという方はプログラミングの基礎部分を固めるという意味で勉強するのがいいかと思います。

プログラミング言語にもそれぞれ難易度があり、

C言語javaobjective-cなど学習コストが高く難易度も高いもの
PHPPythonRubyなど学習コストは中程度だが初心者は大体挫折するもの
JavaScriptの様なHTML、CSSを知っておかないとできないようなもの

と難易度は様々です。

そんな中でExcel VBAは他の言語では表示させるまでに複数行かかるものを1行で書けたり、シンプルなコードでマウス操作やキーボード操作までできるので視覚的にも楽しいし、エラー個所もここがエラーだとすぐ分かる様になっているのでプログラミング初心者でも挫折が少なく覚えられるはずです

エクセルのバージョンと歴史

因みにエクセルにも種類というかバージョンがあり、メジャーなバージョンでは

2003
2007
2010
2013
2016
2019

とありますが、僕はOffice2016を使用していますので、それをベースにお伝えしていきます。

VBAとマクロの違い

VBAを勉強しようとすると最初に疑問に思うのが、VBAとマクロの違いです。

この違いが分からなくてどっちを勉強すればいいんだろう?
何が違うんだろう?

と、それだけで調べるのが面倒くさくなって勉強するのをやめてしまうかもしれません。

結論から言ってしまうと
VBAとマクロは一緒
です。

正確に言うと色々と違う点が多々あるのですが、ぶっちゃけそんなこと気にして違いを調べるのは時間の無駄です。

なので当サイトの中では同じものとして認識しておいていただければ大丈夫です。
本格的にVBAを学ぼうと思った時に調べるくらいでいいと思います。

とは言ったもののざっくりと違いを述べると

VBA
VBAはマクロを実行するために記述されるプログラム

マクロは
・自動化した操作を総称したもの

といったくらいの違いです。
なので、言葉であらわすのであれば

プログラミングで作成されたものが自動で行われればそれはマクロ

といった感じです。

因みにVBAやマクロの他にVBやVBS、VBE、VB.netといったものもあるので簡単に解説しておきます。

VBとは

VBVBAよりもかなり複雑なプログラミング言語です。

「.exe」や「.dll」形式のファイルを開発するときに使われる言語で、非常に難しいプログラミング言語です。

正式名称は
Visual Basic

VBSとは

VBSはVBをまねて作られたスクリプト言語と言われています。

スクリプト言語については解説すると長くなるので本ページでは解説しません。

VBSは「.vbs」ファイルと呼ばれるものを作成すれば1行で簡単にプログラムが作れてしまったりもします。

以下のページで解説しているダイアログボックスもVBAだと、

Sub ダイアログボックスを表示()
MsgBox “こんにちは”
End Sub

3行で構成されるプログラムが

MsgBox “こんにちは”

だけで書けるという非常にシンプルな言語でもあります。

ダイアログボックスは以下のページで解説しています。

VBAもそうですが、使い方次第でパソコンを自動操作できる様になるので、簡単だけど複雑なことまでできる言語でもあります。

正式名称は
Visual Basic Scripting

VBEとは

VBEとは、VBAを書くためのエディタのことです。

当ページでも毎度解説している
Sub ○○()
~中略~
End Sub
これらを書いているエディタがVBEです。

VBEについては以下のページでもちょろっと解説しています。

正式名称は
Visual Basic Editor

VB.netとは

VB.netとは
.NET FrameworkWindowsアプリケーションの開発環境)というフレームワークを使う時に用いられるプログラミング言語です。

フレームワークについては、あまり詳しく解説しませんがざっくり言うとプログラミングで何かを作る際に効率的に作れるようにしてくれる補助アイテムのようなものです。

なのでVB.net単体で何かを作るということはほぼないと思っていただいて大丈夫です。

(筆者もVB.net Frameworkは使用したことがないので詳しくは分かっていないのです)

VBA、VB、VBS、VBE、VB.netについてまとめ

それぞれについて簡単に解説しましたが、実際にプログラミング言語として用いられるのは
VBA
VB
・VBS
の3つです。

どれも特徴や癖などがありますが、本ページではVBAを解説し、VBAを学びたいと思っている方が見ていただいているかと思うのでVBA以外については今は意識しなくていいかと思います。

いずれ、ステップアップして別の言語を学ぼうと思った時に他の言語と比較してみることをおススメします。

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